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NHKネット 必須業務化の検討不十分 ラジオ、国際巡り総務省に意見 メディア開発委員会

 新聞協会メディア開発委員会は2月20日、NHKの地上波ラジオと国際放送のインターネット活用業務を必須業務にすべきだとした総務省のとりまとめ案について「業務範囲だけでなく、受信料制度やガバナンスの在り方も含め『三位一体』で議論すべきであり、有識者会議の検討は不十分」だとする意見書を同省に提出しました。必須業務化が必要な理由や展開したい具体的な業務について、NHKからの説明が乏しかったと指摘しました。

 NHKのネット活用業務の位置付けを議論する「公共放送ワーキンググループ(WG)」(主査=三友仁志・早大教授)が1月にとりまとめ案を公表しました。WGの上部会議は昨年10月、地上波番組の同時・見逃し配信などを必須業務にすべきだと提言していました。

 とりまとめ案はラジオ・国際放送を巡り、文字で伝えるニュースの具体的な範囲について地上波テレビと同様、民放局や新聞・通信社などが参加する第三者機関による競争評価を経て決めるべきとの方針を示しました。メディア開発委はこれを「妥当だ」と評価。地方向けの文字ニュースの範囲を決める際に「地域メディアとの公正競争の確保」の必要性を強調した点に関しても「評価できる」としました。

 一方、とりまとめ案が国際放送について「民放局との競合領域ではない」とした点には違和感を示しました。民間企業と競合する可能性を考慮し「業務内容を詳細に見ながら範囲を検討することが欠かせない」と強調しました。また、ラジオの「語学講座アプリ」など教育に関するコンテンツを展開するのであれば、教育事業を展開する民間事業者から今後の競争評価などで意見を聞くことも必要だとしました。

 とりまとめ案はガバナンスの在り方について、ネット業務の必須化に伴い経営委員会に重い責務が課されるとしました。メディア開発委はこれに関し「ガバナンス向上の実効性を高めることが欠かせない」と強調しました。

 また、NHKの子会社などの事業活動が公正競争に与える影響について、とりまとめ案は「具体的な事例の把握に努める」としました。メディア開発委は「子会社が展開するウェブサイトで広告を掲載したり、番組に関連するとして商品を販売したりする事例がある」と指摘。「子会社を活用したネット業務がNHK本体のネット業務の抜け道となってはならない」と主張しました。公平な競争に配慮した事業展開が必要だと訴えました。

 意見の全文はこちらでご覧いただけます。

(2024年2月20日)

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