有権者のため積極的に報道 ネットと選挙巡り声明
新聞協会は6月12日、「インターネットと選挙報道をめぐる声明」を発表しました。インターネットに偽情報や真偽不明情報などが流通している現状を踏まえ、これらにより選挙結果が左右される事態に懸念を示しました。その上で、協会加盟各社は選挙報道の在り方を足元から見直すとし、有権者の判断に資する報道を積極的に展開していく姿勢を表明しました。
昨年12月開催の編集委員会での意見交換を契機として、下部組織の選挙報道研究会で検討してきました。
同研究会は基礎的な研究として1966年の「公職選挙法第148条に関する日本新聞協会編集委員会の統一見解」を振り返り、公選法が選挙に関する報道・評論の自由を大幅に認めているなど同見解の意義は現在も変わっていないことを確認。さらに、ネットの現状に対応して同見解を補完する声明を公表することとしていました。
声明文では、ネットが公共的な議論に利用されていることを評価する一方で、偽情報なども流通しており、プラットフォーム事業者による対応が不十分な現状を指摘。選挙は民主主義の根幹であるとして、「不正確な情報が選挙結果に強く影響することは民主主義の自壊を招きかねない」と憂慮を示しました。
その上で、報道が「選挙の公正」を過度に意識しているとの批判があることを受け止め、66年の統一見解は今日も堅持すべきものだとの認識を加盟各社が共有したと説明。「事実に立脚した報道により民主主義の維持発展に貢献することは報道機関の責務だ」とし、各社において統一見解を念頭に、国際的なファクトチェックの手法なども参照しながら、「有権者の判断に資する確かな情報を提供する報道を積極的に展開していくことを確認する」と述べました。
声明の全文はこちらでご覧いただけます。
(2025年6月12日)