<神戸でNIE全国大会>情報リテラシー向上が肝要 選挙時の偽情報見抜く力養う
第30回NIE全国大会は7月31、8月1の両日、神戸市の神戸ポートピアホテルと甲南大岡本キャンパスで開かれました。大会スローガンは「時代を読み解き、いのちを守るNIE」。初日のパネル討議では、「情報で、いのちを守る」をテーマに、災害・選挙時の発信の在り方や、情報収集における注意点などに関し議論しました。
新聞協会の中村史郎会長(朝日新聞社)は開会あいさつで、インターネット上の情報空間について、閲覧数に応じ広告収入が増える「アテンションエコノミー」の影響により、不確かな情報が増えていると説明。昨年の兵庫県知事選での偽・誤情報や誹謗中傷などの拡散を挙げた上で、「将来を担う子供たちにこそ正しい情報を見抜く力を高めてもらう必要がある」と強調しました。そのために、NIEはうってつけだとしました。
神戸新聞社の梶岡修一代表取締役社長は新聞について、記者が現場を歩いて書き上げた「生きた教材」だと説明。授業で積極的に活用してほしいと呼び掛けました。また、偽・誤情報や誹謗中傷の問題を巡り、新聞社が情報発信のプロとして、市民の情報リテラシー向上を先導すべきだと述べました。
基調提案で竹内弘明大会実行委員長(兵庫県NIE推進協議会長、神戸親和大教授)は、災害が相次ぐ中、子供が必要な情報を得て、命を守るために行動する力を育む上で、NIEができることを考えたいと提起しました。
また、記念講演として芥川賞作家の小川洋子氏が「言葉は人をつなぐ」をテーマに話しました。
大会は新聞協会主催、兵庫県と神戸市の教育委員会の共催で開かれました。神戸新聞社と兵庫県NIE推進協議会が主管しました。教員や新聞関係者ら約1800人が参加しました。2日目は分科会が開かれました。
(2025年8月5日)