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次の災害に備え被災地撮る 能登地震巡り写真記者講演会 ニュースパーク

 ニュースパーク(新聞博物館)は10月11日、能登半島地震の被災地を撮影する写真記者らによる講演会を開きました。頼光和弘(notophoto代表、元中日・産経)、泊宗之(共同・ビジュアル報道局写真部)、宮嶋茂樹(報道写真家)の3氏が、被災地を撮影する理由や、写真に込めた思いを説明しました。復興までの過程を記録し、将来の防災につなげることの大切さが語られました。

 頼光氏は石川県珠洲市出身。能登半島の現状を伝えるウェブメディアを運営しています。「記者として能登の現状を伝える使命がある」と強調した上で、古里の被災を報じることに葛藤もあると話しました。能登半島地震で実家の向かいの家が倒壊し、巻き込まれた家主の無事を祈る家族を撮影。その際、「表情にズームして撮影することができなかった」ことを明かしました。

 同県穴水町出身の泊氏は、能登町で毎年7月に実施される「あばれ祭」の様子を取材しました。たいまつから飛び散る火の粉を笑顔で見つめる住民の様子を捉えました。「祭りを通し前向きになる住民の心情を伝えたかった」と述べました。

 宮嶋氏は、被災地の状況を他地域の人に想像してもらうことの重要性に言及。東日本大震災の取材で、被災した病院を撮影した際に津波の最高到達点が分かるよう構図を工夫した事例を紹介しました。

 イベントは12月21日まで開催中の企画展「能登へ 写真家たちが写した能登半島地震、豪雨災害」の一環。会場で15人が耳を傾けました。

(2025年10月11日)

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