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いっしょに読もう!新聞コンクール 小中高最優秀賞など発表

 新聞協会は12月8日、第16回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の入賞作を発表しました。小中高3部門の最優秀賞各1編のほか、優秀賞30編、奨励賞120編を選びました。優秀学校賞は15校、学校奨励賞は184校に贈ります。応募総数は6万1428編でした。

 小学生部門の最優秀賞は埼玉県行田市立桜ケ丘小5年の篠塚いろはさんが受賞しました。篠塚さんは、米価高騰の背景にある農家の人手不足や高齢化、農機具の価格上昇といった課題を報じた読売KODOMO新聞の記事に目を留めました。

 篠塚さんの祖父母は農機具高騰を受け、米農家をやめました。祖父母は「体が動くならいつまでもやっていたかった」と稲作への思いを口にしました。田んぼを「未来へ残すことが、米の供給や価格の安定につながる」と考えた篠塚さん。若年層に農業に携わってもらう方策として、学校での農業体験の導入や、農業に関する新技術の周知を挙げました。祖父母との対話から米価高騰の具体的な解決策を示した点が評価されました。

 中学生部門の最優秀賞は東京学芸大付属世田谷中1年の服部陽有人さん。聴覚障害者が中心となり働く「サイニングストア」で、従業員と客が交流する様子を伝える東京新聞の記事を選んだ。

 聴力を失った祖父の口数が少なくなったと感じていた服部さん。祖父が相手に遠慮し、極力自分から話し掛けないようにしていたことを知りました。服部さんは記事を読み、「身ぶりや表情を音声言語の代わりにして心を通わせている様子」が「音声に頼る会話より、血の通った温かいコミュニケーション」だと気付きました。「豊かな表現で会話の垣根をなくし、祖父の自然な笑顔を引き出せる存在になりたい」と誓いました。聴覚障害を抱える家族に寄り添う中、発想を転換したコミュニケーションで優しい世の中を作り出せると提言した点が評価されました。

 高校生部門の最優秀賞は東福岡高2年の清武琳さんに贈ります。長期入院の子供と一緒に病院に泊まり世話をする「付き添い家族」に関し、家族の負担減を図る制度導入を報じる西日本と、支援団体の活動を伝える北海道の記事に着目しました。

 幼児期から入退院を繰り返してきた清武さんは、付き添い家族の負担に問題意識を持ち、新聞に投書してきました。過去に知り合った支援団体の代表と連絡を取る中、制度化の背景に「望まないルールができたり、制度の枠から外れる人が生じたりする」懸念があると伝えられました。清武さんは「入院中の子供にとって、親が側にいてくれる安心感は何よりの特効薬だ」と指摘。その上で「本当に必要なものを見極めた支援」が大切だとつづりました。当事者の視点で問題を理解し、主体的な行動から得た気付きをもとに提言した点が評価されました。

 表彰式は13日にニュースパーク(新聞博物館)で開きます。

 入賞作・入賞校一覧はこちらでご覧いただけます。

(2025年12月8日)

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