2010年 4月13日
新領域で活躍する姿伝える

琉球「風をつかめ―沖縄新ビジネス」

観光客の減少など逆境にある沖縄経済。だが、ものづくり、情報技術(IT)、サービスなどさまざまな分野で存在感を増す企業がある。独自の事業展開で市場に挑戦する県内企業の姿を、1月5日付から経済面で7部、36回にわたり描いた。

第1部は「市場に挑む」(6回)。密閉した施設内で温度や湿度、光量や衛生環境を制御し農作物を安定生産する「植物工場」。地元産材料にこだわりヒット商品となっている「石垣島ラー油」。著作権が切れた名作文学を独自に翻案した漫画本の制作・編集で全国市場を開拓した会社などを紹介。第2部「IT最前線」(3回)では、ゲームやネット事業の需要をアイデアで掘り起こし発展を続ける3社を描いた。

第3部「壁破る農水産業」(6回)には、魚を生かしたまま運動神経をまひさせる技術・通称「快眠活魚」を活用し沖縄特産魚の販路拡大に挑む企業や、「規格外野菜」でチップスを製造し原料コスト削減に取り組む生産者などが登場。第4部「観光の進化形」(6回)、第5部「バイオの芽吹き」(6回)、第6部「循環型モデル」(4回)では、観光・医療・健康・エコなどの分野でのユニークな活動に焦点を当てた。

3月下旬掲載の最終章・第7部「農商工連携」(5回)は、沖縄の植物を加工して新市場の創出に挑む女性社長、鮮魚の流通システム構築に取り組む八重山漁協の販売課長、沖縄物産企業連合が中心となり生産から加工、流通までの各業者が一体となって新しいお菓子作りに取り組む「オキナワンスイーツプロジェクト」など、試行錯誤を続けながら事業を軌道に乗せていく姿を伝えた。

「ニッチ(すき間)市場など新領域で活躍する企業の活動は、地域経済活性化の参考になる」と語る普久原均・経済部長。6人の部員が総掛かりで取材した。(審査室)

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