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2011年 1月11日
新工場進出を地域活性化へ
河北「始動 北の拠点―自動車産業集積の未来」
トヨタ自動車子会社のセントラル自動車が、神奈川県相模原市から宮城県大衡村に移転した新本社工場が、新年早々に稼働を始めた。東北では同じトヨタグループの関東自動車工業岩手工場に次ぐ2か所目の完成車製造工場。自動車産業の「北の拠点」となる期待が大きい半面、受け入れる地元にとっては技術力向上や人材育成など課題も多い。昨年1月からの1面連載で、新工場を迎える地域の現実と未来を探ってきた。
第1部のタイトルは「地殻変動」。「巨像が姿を現した」との書き出しで、延べ床面積12万平方メートルの広大な新本社工場群を紹介した。自動車産業の集積は「100年に一度のチャンス」とされるほど波及効果が大きいが、地域活性化にどう生かしていけるかが試される。
第2部「選択の背景」では土地と人材に余力がある東北が、中部、北部九州に続く「第3の拠点」に選ばれた経緯を分析。第3部「挑戦」では、地元企業が参入してこそ意義があると意識改革を訴えた。第4部「先進地・岩手」は関東自動車工業進出から17年の経験を、第5部「試される総力」は隣県との連携を検証。第6部「情熱」に続く第7部「西の雄・九州」では、有数の拠点に発展した北部九州の例を学ぶとともに、理想と現実の隔たりも見つめた。第8部は「人づくりの現場」。
新年の第9部「幕開け」は、新工場稼働に合わせて関係者のインタビューを掲載した。2月に予定している第10部で今後の展望を探る予定だ。「自動車産業を取り巻く環境は大きく変わりつつある。工場が進出してもそれに頼るだけではだめで、地元のレベルアップが必要。これを機会にチャレンジしていくことが大事という視点で展開してきた」と報道部の八代洋伸デスク。現在の取材班は斎藤秀之、加藤健太郎、高橋鉄男記者。(審査室)