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IT戦略本部「IT関連規制改革専門調査会」報告に対する新聞界の意見

平成14年1月30日
社団法人日本新聞協会
メディア開発委員会

IT戦略本部「IT関連規制改革専門調査会」が昨年12月6日、同本部に報告した「IT分野の規制改革の方向性」には、通信・放送制度を「横割り」の体系へ転換することなど、わが国のマスメディアの根幹にかかわる重大なテーマが含まれている。

専門調査会が示した方向で政府が検討を進めることに対しては、放送界から反対の意見が表明されているが、新聞界としても強い懸念を抱かざるを得ない。

同報告は、制度転換の目標を「競争の促進と通信・放送の融合の促進」に置いているが、将来の制度の内容が具体的に示されておらず、いわゆる「水平分離」「ハード・ソフト分離」の導入が競争をゆがめ、その結果、国民に不利益をもたらすことになりかねないという重大な懸念がある。一方、「水平分離」が放送施設を保有するハード事業者と番組制作・編成等を行うソフト事業者の分離につながれば、災害・緊急時の報道等に支障をきたし、これまで地上放送が果たしてきた公共的な使命、すなわち、国民の生命、財産、生活にかかわる不可欠な情報を迅速、かつ広範に伝えるという役割が期待できなくなるおそれがある。これは言論・報道の多様性を損なうものであり、同じ報道機関である新聞界として、看過できない。

同報告にはこのほかにも、「横割り」体系での「コンテンツ」にかかわる内容規制の導入の有無など不明な点が多い。したがって、今回提起されているテーマの結論を得るには、拙速を避け、より慎重できめ細かな議論を行う必要がある。また、このように極めて重大なテーマについては、直接の当事者である放送事業者はもちろん、多方面の関係者から意見を求め、幅広い議論を行うべきであると考える。

以上

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