4月12日付 漫画家が見た戦争とは

東奥「あおもり戦後70年 ガンダム作家の見た戦争」

 日本のアニメを変えたと言われる「機動戦士ガンダム」(1979年)の作画監督を務めたことで知られる安彦良和氏。89年以降は漫画業に専念し数多くの歴史上の人物や出来事を題材にした漫画を生み出した。

 そんな安彦氏が、実は青森県に縁が深いことはあまり知られていない。弘前大に在学中、学生運動に加わり国家と戦い続けた安彦氏の目に戦争はどう映っていたのか。昨年7月2日から今も続く連載を通して、斉藤光政編集委員が迫った。

 斉藤氏は現在起きている事象と歴史的な出来事をどう結び付けるかに苦心しているという。背景には青森県が米軍基地など軍事施設を数多く抱える地域であるという問題意識がある。「単に戦争の歴史を取り上げるのではなく、今の青森と密接に関わっている事柄を伝えたかった」と話す。

 第6回では、過激派組織「イスラム国」の攻撃を受けるクルド人支援を目的として、昨年6月に三沢基地所属のF16戦闘機が参加した空爆作戦を紹介した。安彦氏の漫画「クルドの星」とも絡めて、91年の湾岸戦争から米国に翻弄(ほんろう)され続けるクルドの悲劇を報じた。

 連載後半で安彦氏が弘前大で加わっていた学生運動に焦点を当てた。同氏が「自身の青春時代の残像を通じて現代社会に警鐘を鳴らす作家」(池田俊介取締役編集局長)だと考えたためだ。

 衆院で安保関連法案が強行採決される半世紀近く前、安彦氏は学生運動のリーダーとして権力と戦い続けた。斉藤氏は「彼自身が国家と戦い続けてきた人物だからこそ、ガンダムに代表される自身の作品を通じて『国家とは何か』『なぜ人は戦うのか』と今も読者に問い掛け続けているのではないか」と語った。(柳)

前のページ

次のページ

 

 

ページの先頭へ