新聞広告賞

  1. HOME
  2. 新聞広告賞
  3. 新聞広告賞2016

 日本新聞協会は9月8日、新聞広告大賞をおんせん県観光誘致協議会の「Go!Beppu おおいたへ行こう!キャンペーン」に贈ると発表した。
 大賞受賞作は、2016年4月に熊本・大分両県を襲った地震で、観光客の減少と経済的な打撃を受けた別府の今を遊び心あふれたコピーで伝え、観光客の来訪を呼びかけた。風評被害へのすばやい対応として注目され、多くのメディアがこのキャンペーンを取り上げ、被災地支援の機運が全国的に盛り上がり集客にも貢献した。
 新聞広告賞は、新聞広告の新しい可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に、1981年に設けられた。広告主部門と新聞社企画部門の2部門から成り、新聞紙上で優れた広告活動を展開した広告主企業、新聞社に贈る。
 贈賞は10月20日(木)、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で開かれる第59回「新聞広告の日」記念式典で行われる。新聞広告大賞には賞状、トロフィー、メダルが贈られる。
 第36回新聞広告賞には、広告主部門255件(単独広告主251件、複数広告主4件)、新聞社企画部門62件(単独企画57件、共同企画5件)の計317件の応募があり、大賞1件、新聞広告賞10件を選定した。また、広告主部門について10件の優秀賞を、新聞社企画部門について5件の奨励賞を選んだ。 7月29日開催の新聞広告賞選考委員会で入賞作を決め、9月7日開催の日本新聞協会理事会で承認した。

[広告主部門・新聞広告大賞]1作品(敬称略)

Go!Beppu おおいたへ行こう!キャンペーン
おんせん県観光誘致協議会

【受賞理由】

 2016年4月、熊本・大分両県を襲った地震は、別府温泉に風評被害をもたらし、観光客の減少と経済的な打撃を与えた。新聞広告で観光客の来訪を呼びかけたこのキャンペーンは、風評被害へのすばやい対応として注目され、深刻なテーマでありながらも遊び心あふれたコピーが読者を引きつけた。多くのメディアがこのキャンペーンを取り上げ、インターネット上でも話題となった結果、被災地支援の機運が全国的に盛り上がり集客にも貢献した。新聞の機動性や社会的機能を生かした展開が、新聞広告の価値を高めた作品として高く評価された。

掲載=2016年5月1日、2日、4日、5日、大分合同に掲載/全15段カラー

[広告主部門・新聞広告賞]5作品(広告主名50音順)

ガリガリ君「値上げ広告」
赤城乳業株式会社

【受賞理由】

 アイスキャンディー「ガリガリ君」の25年ぶりの値上げを新聞広告で告知するとともに、同社の率直な思いを伝えて話題となり、値上げにもかかわらず売り上げ増加に貢献した。会長、社長はじめ多くの社員が深々と頭を下げている姿と「値上げ」の歌という組み合わせがユーモラスで、値上げのマイナスイメージを覆す説得力も持った。長年価格を据え置いてきた企業の誠意がストレートに伝わることで好感度を高め、消費者、流通関係者の共感も得た。発想豊かなクリエーティブと新聞の情報発信力が効果を生み、企業ブランド向上に貢献した作品として高く評価された。

掲載=2016年4月1日、日経に掲載/全15段カラー

第68回新聞大会記念企画
学校法人近畿大学

【受賞理由】

 グローバル社会で活躍する人材を育成するため国際学部を新設することを、異なるクリエーティブで在阪5紙に掲載した。15年10月に大阪で開催された第68回新聞大会にあわせて掲載された広告は、掲載紙ごとに若手クリエーターチームを編成、そこに同大学の学生も参加して、すべてをクリエーターに任せるという新しい手法で作られた。若者が共感するようなビジュアルとコピーが読者に強い印象を与え、学部の新設が浸透した結果、志願者数は定員の17倍にも上った。新聞広告の表現の可能性を若い視点で追求し、若者と新聞を結びつけた作品として高く評価された。

掲載=2015年10月15日、朝日、毎日、読売、日経、産経(いずれも大阪版)に掲載/全15段カラー

「広告事例」掲載ページ
宝島社 企業広告「死ぬときぐらい好きにさせてよ」
株式会社宝島社

【受賞理由】

 日本人の平均寿命が世界でトップクラスとなり、超高齢社会を迎えるなかで、新年の見開き広告で読者に「死」を問いかけた。女優・樹木希林さんを起用し、名画をモチーフにした芸術的で迫力ある表現は、老若男女を問わず死に方そして生き方を考えるきっかけとなった。重いテーマにもかかわらず、絶妙なキャスティングと読者の心を揺さぶるコピーで、明るい企業メッセージに仕立てた。1回限りの掲載にもかかわらず読者に強い印象を残し、長期にわたって他媒体でも取り上げられるなど、新聞広告のクリエーティブ力を示した作品として高く評価された。

掲載=2016年1月5日、朝日、毎日、読売、日刊ゲンダイに掲載/二連版全30段(日刊ゲンダイは二連版全22段)カラー

「広告事例」掲載ページ
AQUA100万台達成×ドラゴンクエスト30周年 全国コラボ新聞広告企画
株式会社トヨタマーケティングジャパン

【受賞理由】

 ハイブリッド車AQUAの国内累計販売台数が、同社史上最も早く100万台を達成したことを、特別仕様車の発売とともに告知。30周年を迎えたゲーム、ドラゴンクエストの異なるモンスターを全国47都道府県の新聞広告に登場させ、ドラクエの世界にAQUAを溶け込ませた。初期のゲームで使われた書体や主人公を表すナンバープレートなど、ドラクエファンの心理をくすぐる巧みな仕掛けで注目を集め、掲載当日のツイート数は前日の約5倍を記録した。ゲーム世代から広く一般にも浸透し、発信源となった新聞広告の力を示した作品として高く評価された。

掲載=2016年5月21日、北海道など全国47都道府県48紙に掲載/全15段カラー

世界の課題に、光で答える。
パナソニック株式会社

【受賞理由】

 食糧問題や無電化問題など、世界的な課題の解決に同社の光を用いた先進技術が貢献していることをシリーズで伝えた。ともすると難解になりがちなテーマを分かりやすく伝えるため、紙面の裏写りを逆手にとってクリエーティブに生かした。グローバルな課題をオモテ面で問いかけて読者の好奇心を刺激、紙面を透かすとウラ面に印刷された答えが浮かび上がるという工夫で注目度をあげた。新聞に精通した優れた着想で、新聞広告だから伝わるメッセージを表現した作品として高く評価された。

掲載=2016年3月28日、29日、30日、日刊工業に掲載/全15段☓2(表裏)、カラー

[広告主部門・優秀賞]10作品(広告主名50音順)

◇「これ、ぜんぶ失敗作・・・から生まれた料理です。」キャンペーン(味の素株式会社)
◇白い恋人(新幹線に乗せてください。)(石屋製菓株式会社)
◇江崎グリコ・グリコ乳業 合併広告「ゴールではなく、スタートだ。」(江崎グリコ株式会社)

◇集英社 企業広告「読書は、平和を守る。」シリーズ(株式会社集英社)
◇近くのネコも、遠くのトラも、同じように想ってほしい。(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン))
◇名鉄沿線催事シリーズ(名古屋鉄道株式会社)
◇あなたの思う福島は、どんな福島ですか?(福島県)
◇質フタバ川柳キャンペーン(有限会社フタバ)
◇ありがとうの包み紙(吉乃川株式会社)
◇70周年企画/雑誌とは、時代の景色だと思う。(株式会社光文社 株式会社マガジンハウス)

[新聞社企画部門・新聞広告賞]5作品(会員名簿順)

北海道新幹線開業関連企画
北海道新聞社

【受賞理由】

 歴史的な北海道新幹線開業の喜びを道民と共有するため、地元新聞社がまさに総力を挙げて特集紙面を作り上げた。開業当日には全道でラッピング紙面を展開、前日の特集と合わせると2日間で90社の協賛を得て計64ページに及ぶ4本の別刷り特集を発行した。なかでも、函館の夜景を再現するためLED電球を埋め込んだ紙面は驚きをもって迎えられ全国的に話題となった。毎日新聞と共同で広告号外を発行するなど、新聞社の垣根を越えた情報発信にも取り組んだ。待望のニュースを地域あげて祝福する紙面を作り、新聞広告の圧倒的な力を示した作品として高く評価された。

掲載=2016年3月25日、26日/ラッピング、別刷り特集、広告号外など、カラー

「広告事例」掲載ページ
平成青少年遣欧使節団派遣プロジェクト
河北新報社 営業局営業部

【受賞理由】

 慶長遣欧使節出帆400年を記念して、宮城県の特使として高校生10人をスペイン、イタリアへ派遣するプロジェクトを立ち上げ、特集紙面で当時の使節団派遣の意義をつづるとともに、プロジェクトの成果も伝え圧倒的なボリュームで読者に迫った。特使を務めた高校生たちは、東日本大震災の支援へ感謝するとともに、被災地の現状や宮城県の魅力を紹介して、各地で友好の絆を深めた。慶長遣欧使節団と重ねあわせたような夢のある壮大なプロジェクトは、復興に向けた被災地の希望となった。広告企画で若者と新聞の距離を縮め、次世代育成と地域貢献に大きな役割を果たした作品として高く評価された。

掲載=2014年1月29日~15年10月27日/二連版全30段、全15段など、カラー

「広告事例」掲載ページ
母の日特別企画「家族のはなし2016『信濃母日新聞』」
信濃毎日新聞社 広告局

【受賞理由】

 カーネーション生産量日本一の長野県の地元紙として、母の日をテーマにさまざまな角度から愛情あふれる特集を展開した。カーネーションで彩った紙面は、母への思いを呼び起こし、家族の絆を見つめ直すきっかけとなり多くの読者の共感を得た。特に「母の日パーソナル新聞」は最新の印刷技術を使って一人ひとりに家族の思いが届けられ、多くのお母さんのサプライズと感動を呼び、新しい試みとして成功した。端正なクリエーティブとメッセージの清らかさも地元紙への親近感を高めた。新聞社の機能を最大限生かし、新聞広告の可能性を広げた作品として高く評価された。

掲載=2016年5月8日、31日/別刷り特集、全3段、二連版全30段、カラー

「広告事例」掲載ページ
中国新聞社 被爆70年プロジェクト 「THE 70th PEACE ACT HIROSHIMA」
中国新聞社 広告局

【受賞理由】

 原爆投下から70年という節目に、核兵器のない平和な未来を求める人々の思いを被爆地の新聞社として国内外へ発信した。オノ・ヨーコさんの訴えで募集した平和メッセージは60か国・地域から15,000通以上が寄せられ、それらは紙面で紹介しただけでなく、平和首長会議加盟6,857都市にも届けた。プロジェクトの協賛金の一部をヒロシマ平和創造基金に寄託して、次世代の平和活動につなげるなど多角的にプロジェクトを展開した。被爆者の高齢化で記憶の風化が進む中、平和の尊さを世界に発信して被爆地の新聞社の責務を果たした作品として高く評価された。

掲載=2014年8月6日~15年10月29日/別刷り特集、二連版全30段、全15段など、カラー

「広告事例」掲載ページ
The Way ~長崎新聞配達ルート データMAP化プロジェクト~
長崎新聞社 東京支社営業部

【受賞理由】

 新聞が手から手へ届けられるさまを最新のデジタル技術で視覚化して、毎日決められた時刻に新聞を届ける戸別配達網の姿を浮き彫りにした。新聞を配達する2,285人にGPSを持ってもらい、そのデータをもとに配達の軌跡を光で再現して県内津々浦々に新聞が届く姿を分かりやすく示した。特設ウェブサイトでは、時間の経過とともに新聞が行き渡る様子をデジタルマップで示すとともに配達のドキュメント動画も掲載した。デジタル技術で自社の配達網の価値を再発見し、新聞広告で新聞社の使命と役割をアピールすることに成功した作品として高く評価された。

掲載=2015年9月3日/別刷り特集、カラー

「広告事例」掲載ページ

[新聞社企画部門・奨励賞]5作品(会員名簿順)

◇下町ロケット2 ガウディ計画(朝日新聞東京本社 メディアビジネス局)

◇HEART & DESIGN FOR ALL~誰もが暮らしやすい社会の実現へ(東京新聞 広告局)
◇戦後70年県民キャンペーン「WHITE PEACE Project」(新潟日報社 広告局)
◇伊勢志摩サミット開催記念 サミット参加7カ国(+EU)・5言語翻訳別刷り特集号(伊勢新聞社 営業局)
◇こころのわ ~きづく つながる ささえあう~(京都新聞社 京都新聞COM営業局)