2013年 4月23日
ありふれた風景から実像追う

秋田魁「あしたの国から 人口減社会を生きる」

 毎年約1万人が減り、ほぼ3人に1人が65歳以上の高齢者である秋田県。世界的にみても高齢化が進んでいる日本にあって、同県の人口減少率と高齢化率は国内で最も高い。1月から月ごとに季節を意識したテーマを設け、人口減・少子高齢化に伴うさまざまな影響や実像を追っている。

 1月1日付から計10回掲載した第1部は、最も身近にある家族や地域から見えてくる課題を考察した。初回は男鹿市北浦湯本で農業を営む男性(69)とその家族を紹介しながら、地方から都市へ若者が流出し続ける現状や後継問題を伝えた。

 2月4日付から始まった第2部は13回にわたり、雪にまつわる住民の苦労や、冬を「資源」として生かそうとする取り組みを通じ、快適な町や共助の在り方などについて考えてきた。2月6日付は、能代市上町の自治体主催による住民総出の一斉除排雪を取り上げた。過疎と高齢化の波が押し寄せ、隣近所が協力し合う共助の基盤を編み直さないと、地域社会の維持が難しいという背景もある。

 第3部は3月18日付から計10回、少子化による学校の縮小・統合や進学、就職による若者の県外流出の実態を追った。

 編集局の記者一人一人にこの問題を考えてもらうため、全員に切り口と事象を挙げてもらったという。本社報道センターと支社支局が連携してテーマに関する話題を集め、報道部デスク陣が連載の構成を組み立てている。初回の執筆を担当した報道部の小川顕記者は「ありふれた風景に切り込んでいきながら、読者が人口減社会について考えるきっかけにしたい」と話す。

 今月24日付からスタートする第4部は、行政がさまざまな対策を講じてきたにもかかわらず、少子化に歯止めが掛からない現状を紹介していく。(菅)

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