2014年 1月14日
駅から地域再興の姿描く

山口「駅 ひと・まち・往来」

 本州最西端の山口県はJR山陰、山陽本線が交わり、九州への玄関口でもある鉄道交通の要所だ。一方で、県の約7割は中山間地域が占め、ローカル駅は見過ごされてきた。連載は、地方駅・路線を中心に取り上げ、駅を起点に地域再興に懸ける住民や街の姿を描いた。

 山口市と島根県益田市を結ぶJR山口線は昨夏の豪雨で一部不通が続く。代行バスの乗り換え駅となる山口市北部の地福駅では、観光客をもてなすことで地域に笑顔と人の輪を呼び戻そうと取り組みが続く。今では珍しい蒸気機関車が観光客車を引く「やまぐち」号が水害後に運転した際は、地元民が工作体験や特産品バザーで観光客を楽しませた。

 県央部を南北に貫くJR美祢線の於福、厚保駅(美祢市)は、無人駅から人が集う地域の交流拠点へと様変わりした。駅舎を市が無償で借り受け、約3千万円をかけて地域の交流施設へと改修。駅舎内の会議室や和室は、生け花やパッチワークなど約20グループが利用し、利用率は5割を超える。

 県内唯一の第三セクター錦川清流線は、旧国鉄の赤字路線を引き継ぎ1987年に開業した。観光路線化での誘客に将来を託し、観光型車両の導入や名勝の滝周辺では時速5キロの徐行運転で景観を楽しめる工夫をしている。

 日本三名橋の一つ、錦帯橋を模したアーチ型の入口を持つ西岩国駅(岩国市)は国の有形文化財だ。駅舎の永久保存を求めた住民らの署名活動により、2004年に市はJR西日本から駅舎の譲渡を受けた。保存会が朝市の開催や観光客の案内で、駅を活用した街の活性化に取り組む。

 久岡照代編集制作センター長は「沿線の人口は減るが、鉄道は生活する上で必要だ。大事な役割がある駅を守ろうとする住民の姿を取り上げた」と話す。(夏)

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