2015年 12月1日
県警と住民の溝埋めたい

埼玉「検証 安全への対応 熊谷6人殺害事件」

 9月に埼玉県熊谷市の住宅3軒で6人が立て続けに殺害された。逮捕されたペルー人容疑者が関わる殺人事件として捜査本部の捜査が続く。なぜ防げなかったのか、被害が広がったのか―。11月5日から6回にわたり、県警の対応を中心に検証した。

 10月29日に県警による検証報告書がまとめられた。一方、市民側からも11月6日、防犯活動の支援や県警の体制の強化を求める約4万人分の署名と要望書が上田清司県知事に提出された。保坂直人記者は「結果から考えて批判するのは簡単だが、その時々の警察の判断を細かく伝え、県民との溝を埋めたいと考えた」と話す。

 事件前、意味不明の発言をしていた容疑者は事情を聞くために熊谷署に移送されていた。しかし、荷物を置いたまま逃走し、近隣の住居2件に侵入。さらに3件の殺人事件を引き起こしたとみられる。

 警察官は精神錯乱のため自傷他害の恐れがある場合、その人を保護しなければならない。署に移送されてきた時点で身柄を確保すべきだったと批判がある。一方、実際に事件を起こす前に身柄を拘束してしまえば人権問題に発展しかねず、強硬な対応が取れなかった面もあると指摘する。

 第1の殺人事件後、防災無線で注意喚起すべきだったという批判が市民から相次ぐ。しかし、県内で毎日200件以上の犯罪が起こる中で、どの事案で注意喚起を行うかの線引きは難しく、放送がかえって住民のパニックを引き起こす懸念もある。住民と県警が信頼関係を築く必要があるという専門家の声を紹介した。

 事件現場を含む周辺の自治会長らによる要望書提出の際、連載紙面を握りしめていた人もいたという。「県民の関心は非常に高く、取材へのモチベーションを後押ししてくれた」(保坂氏) (梛)

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