2016年 6月7日
国際共通語教える現場は

秋田魁「変わるあきた 英語教育」

 「読む」「書く」が中心だった英語教育が「聞く」「話す」にも力点を置くコミュニケーション重視に変わってきた。1986年に臨時教育審議会が「外国語教育の見直し」を打ち出し、87年には外国語指導助手(ALT)の配置、89年の学習指導要領改訂など一連の動きに背中を押される格好で英語教育の転換が始まった。

 今後グローバル化が進み、国際共通語である英語を使わざるを得ない場面は確実に増える。「読む」「書く」だけでなく、自分の考えを持ち、英語で意思疎通する能力を育むには―。4月29日から8回の連載で「県内の英語教育の歩みをたどりつつ、教育現場での英語授業の現状や今後の在り方を探ろうと考えた」と鈴木亨編集委員室長は狙いを語る。

 2009年の高校指導要領改訂で、英語の授業は基本的に英語で行うとされた20年度をめどに中学の授業にも適用される。小学校では英語が正式な教科となる見込みだ。

 すでに教育現場ではその準備が始まっている。ある中学の英語の授業では、教師は生徒が自ら話したり聞いたりするよう意図的に仕向ける。生徒はジェスチャーを交えたり多少言葉に詰まっても最後まで話そうとしたりする。実際に使うことで英語を身に付ける指導法だ。県教育庁は英語教育推進の特別班を設置し、ALTの積極活用、学校全体で取り組む態勢づくりなど授業改善をサポートしてきた。

 今後、生徒が自ら学ぶ態度をどう育むか。「いずれ役立つ勉強」から「楽しい勉強」への変化も必要とされる。英語の教科化を控える小学校では、担任とALTの2人で展開できる授業法を探ることも課題だ。

 これから就学する子どもを持つ親に関心をもって読まれたことはうれしい反響だったという。「近いうちに機会があれば、また教育の連載を手がけたい」と鈴木氏は語った。(有)

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