2016年 12月6日
交通弱者の足 地域の活力に

北羽「市街地巡回バス 現状と課題」

 幹線道路沿いに大型商業施設が並び、昔ながらの商店街はシャッター通りに。高齢者世帯が増える中、歩いて行けるなじみの店は姿を消し、車を運転できなければ食料品の買い出しさえ難しい。市街地の空洞化は秋田県能代市も例外ではない。

 「交通弱者」の足を確保し、地域の活力を取り戻すため、能代市は市街地巡回バス「はまなす号」を運行する。本格的な通年運行が始まり15年。11月11日付から3回連載で今後の在り方を探った。

 バスの運行は能代市が秋北バス(本社・大館市)に委託。1日9便(日曜は6便)で運賃は一律150円。41の停留所を約1時間で巡回する。連載を統括した伊藤仁報道部長は「利用者や乗務員の声を取材し、交通弱者に役立つ公共交通の在り方、改善点などを探ろうと考えた」と話す。

 はまなす号は通院や買い物など、高齢者の生活に欠かせない路線として定着している。乗務員の菊池昌洋さんによると「乗客の8割が高齢者で、路線バスとは比べものにならないほど多い」。5回にわたり乗車して運行の様子を観察した戸田章二記者も「乗客ゼロの区間はなかった。しかし40代以下の乗客がいない。高齢者の足として頼りにされていることがあらためて分かった」と語る。

 この10年の年間利用者数は4万人前後。冬場は雪道の運転を避ける高齢者の利用が伸びる。

 雪国のため低床バスの導入は難しい。利用者からは「逆回りの便があれば使いやすい」「もっと狭い範囲を短時間で回ってほしい」「せめて30分間隔で運行してほしい」など利便性向上を求める声が上がる。戸田記者は「高齢者だけでなく、妊婦や障害を持つ人がもっと利用しやすくなるよう、コースやダイヤを大胆に見直す時期に来ているかもしれない」と話した。(有)

ニュース&トピックス

ニュース&トピックス

ページの先頭へ