2016年 12月13日
ゆるキャラ生かし地域振興

高知「やったね☆日本一 栄冠のその先に」

 身長190センチ、体重は鍋焼きラーメン10杯分。頭に乗せた帽子も鍋焼きラーメンをモチーフにしている。「ゆるキャラグランプリ2016」で高知県須崎市のしんじょう君が優勝した。11月17日付から3回の連載(地域面)で、キャラクターを生かした地域振興の課題を伝えた。

 執筆した山本仁須崎支局長は「行政ができるのは発信だけ。しんじょう君を活用して収入や事業につなげる住民や企業の意識はまだ低い」と語る。

 須崎市は2012年、新荘川で目撃されたのを最後に姿を消したニホンカワウソを使ったデザインを募集した。既に初代しんじょう君がいたが、着ぐるみを作れるキャラクターに改めることにした。

 県内外から寄せられた400件超の応募の中から選ばれたのは高知市在住の女性(26)が考案したデザイン。須崎について調べるうちに名物の鍋焼きラーメンを帽子にすることを思いついたという。

 連載には毎回、しんじょう君を普及宣伝する市元気創造課の守時健さんが登場する。人気を支えるのはブログと、ツイッターでのファンとの交流。各地のイベントにも顔を出す。ただし特産品や観光のPRは抑える。しんじょう君とのふれあいを楽しんでもらいながら須崎を知ってもらうことを目指す。市の15年度ふるさと納税額は、しんじょう君の活動が実を結び前年度の約300倍に伸びた。

 13年4月にお披露目されたしんじょう君は、初代に比べ「人気は圧倒的」(山本支局長)。しかしゆるキャラ業界は競争が激しい。13年に優勝した栃木県佐野市の「さのまる」も人気の維持に精一杯。同市の担当者も栄冠を地域振興に生かす戦略が弱かったことを認め「何とか一緒にキャラ業界を盛り上げていきたい」と語っている。 (O)

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