誘致企業の職場づくり探る

紀伊「働き方改革最前線~白浜町の現場から」

 リゾート地である和歌山県白浜町は企業誘致にも力を入れてきた。2004年に開設した「白浜町ITビジネスオフィス」はいっとき空室が続いたものの、企業の営業支援を手掛けるセールスフォース・ドットコム(東京都千代田区)が15年に入居。これが呼び水となり、協力企業が相次いで移り満室に。今春、二つ目のオフィスもできた。

 セールスフォースの社員は通勤時間も短く、東京の同じ部署と比べ業績も好調。報道部の中陽一記者が、誘致した企業の職場づくりの工夫と地元の働き方改革の現状を取材した。8月21日付から全3回。

 中記者は16年から白浜町を担当する。オフィスに新たな企業が入るたび取材を重ねた。本社を白浜に移したソフトウエア開発の「クオリティソフト」は席を固定しない開放的な事務スペースを作ったり、カフェを設けたり。いずれも社員の声を取り入れた。

 自分たちの働きやすさを考え、現状を分析し手を打つ。中記者は各社を取材するうちに「『働き方改革』は都会の問題だと感じていたが、地方でも誰もが関係する話だ」と思うようになったという。関心は地元の動向に広がる。

 白浜はまゆう病院はまず、休暇制度の周知から始めた。院内保育所の整備や、有給休暇取得を促すための「バースデー休暇」の導入なども進める。

 職員の7割が女性。休暇の利用率は低く、出産や育児を機に離職する職員もいた。制度整備と気兼ねなく休める雰囲気づくりを進め、出産や育児による退職者は減った。「仕事と暮らしのバランスは働く人だけでなく、患者や病院にとっても大切なこと」。東直子看護部長の言葉を紹介した。

 働き方改革に終わりはない、と連載を結んだ。「今後も読者のヒントになる取り組みをこまめに追う」と中記者。(酒)

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