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観光と健康作りの役割再考

 長野「諏訪湖マラソン30年 地域とともに駆ける」

 30回目の諏訪湖マラソンが10月28日に開かれた。全国から集まった約8千人が湖畔を1周するハーフコースを駆け抜けた。秋の風物詩として定着したものの「地元の人に愛されないと続かない」と報道部の野村知秀記者は話す。14日付から6回で、観光振興と健康増進に寄与する大会の役割を再考した。

 諏訪湖周のジョギングコースは1キロごとに道標がある。出場29回の安里為任さんは「一定のスピードで走る練習にも役立つ」と記者に語った。休日には松本、塩尻地域から練習に来る人がいるほか、箱根駅伝出場校が合宿に訪れる。

 大会は出場者が地元店に足を運ぶきっかけにもなっている。発着点から15キロ離れたうなぎ料理店の宮澤玲さんは「『地元のおいしい味を』と探して来てくれる」とランナーの来店を喜ぶ。入浴料の割引特典を設ける温泉施設もある。

 しかし全国の成人ランニング愛好者は2012年の1009万人をピークに減少。一方で大会数は17年までに千件も増えた。定員に満たない大会が散見する中「地域に根差した大会」かどうかが継続の鍵だと訴えた。

 諏訪湖マラソンも応募が定員に届くまでの時間が5年で16時間延びた。「参加者が口コミで自発的に宣伝してもらえる大会にしないと埋没する」。諏訪観光協会の浅井学事務局長は大会の未来を懸念する。大会や地域の魅力に「ジョギング愛好者が多く健康的なまちとのイメージが加われば」と願うが、大会後の市民ランナーの姿はまばら。健康維持には運動の習慣化が必要だと説く医師の言葉も伝えた。

 課題はあるものの、湖畔の景色の美しさと沿道の声援はランナーに好評だと野村記者。「諏訪湖の浄化活動にも関心を持ってもらえるような記事を発信したい」と今後の展望を述べた。(海)

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