2018年 12月4日
家庭で育つ子 増えるように

千葉「縁を結んで ちば 里親制度の現場から」

 実の家族と暮らせない子供がいる。千葉市には今年3月末時点で167人。このうち49人が里親家庭や、養育者が事業者として自宅に子供を受け入れる「ファミリーホーム」で生活している。

 市は7月、里親候補の募集や研修、子供との引き合わせ、養育支援などをNPO法人に委託。これを機に千葉市政部の藤田泰彰部長ら3人が里親家庭の現状を取材した。連載には「里親のなり手が一人でも多く現れ、家庭で育つ子供が増えてほしい」との願いを込めた。11月6日付から全3回。

 古川雅美さん(44)夫妻は2015年、育児放棄で養護施設にいた兄妹を里子として迎え入れた。2人はすぐなじみ「パパ」「ママ」と呼び慕うように。実の両親がいることを理解しており、名字は実名を使う。

 兄が通う小学校で、自身の生い立ちを両親に聞く授業があった。しかし幼いころの写真はない。実の親に話を聞くこともかなわない。夫妻は学級担任と相談し、どう成長してほしいかを伝えることにした。「いろいろな経験をして、優しい人になって」。2人からの手紙に、兄はぽろぽろと涙をこぼしたという。

 夫妻は4月、ファミリーホームを開設。兄妹を育てながら、緊急の保護が必要な乳幼児も一時的に受け入れている。

 取材した里親家庭は3組。藤田氏は、実情を伝えたい思いとの葛藤(かっとう)もあったと振り返る。当初は里子に話を聞き、その様子も報じる構想だった。しかし「実の親が読んでも、子供が特定されないよう配慮してほしい」との里親の希望を尊重。虐待を受けていた子供もいるためだ。

 連載は「あなたと生きる」と題したシリーズの一環。今後も家族を巡る問題を追う。共生社会の在り方を問い「多様性を認める意識の広がりに貢献したい」との思いが背中を押す。(酒)

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