日本で嫌な思いをさせない

中部経済「変わる技能実習制度」

 自動車関連部品のメーカーが集まる愛知県三河地区では、外国人技能実習生が戦力として欠かせない。実習生への不当な扱いなどが強調される中、「制度の趣旨に沿い、真面目に取り組む企業らの姿を伝える」ため、片桐芳樹刈谷支局長がベトナムの送り出し機関や受け入れる企業を取材した。11月27日付から全5回。

 ベトナムの送り出し機関大手のホアンロン社。1150人が日本で働くための研修を受けている。来日後に就く職種に合わせた専門知識や語学を学ぶ。

 約半年かけて、日本語能力試験で「基本的な日本語を理解することができる」水準のN4級取得を目指す。同社日本語学校の校長は「日本語教育の向上で、実習生に関する問題の80%は解決できる」と片桐氏の取材に語った。整理整頓、ゴミの分別といった生活面の違いを教えることにも力を入れる。

 実習生を受け入れる日進精機(刈谷市)の中村智社長は「日本と会社で嫌な思い出を作ってほしくない」との思いで環境を整える。家電や自転車といった生活用品の提供にとどまらず、バーベキューなど行事を通じた交流も心掛ける。

 取材のさなか、改正出入国管理法を巡る国会論議と並行して制度の負の側面を取り上げる報道が増えた―と片桐氏は振り返る。企業の担当者からは「制度を利用しているだけで『悪徳企業』と思われつらい」との悩みも聞いた。

 待遇の悪い企業の情報は、SNSでベトナム人の間にすぐに広がる。半面、評判の良い企業には希望者が集まる。受け入れ窓口となる監理団体も、日本人の雇用以上に法令を厳しく守る必要があると訴える。

 「日本にあこがれや希望を抱いて来日する実習生を裏切ってはならない」と片桐氏。今後も実習制度を追う。(路)

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