個人攻撃サイトの黒幕に迫る

琉球「沖縄フェイクを追う ネットに潜む闇」

 昨年の沖縄県知事選では、玉城デニー氏の「大麻所持疑惑」など多くのフェイクニュースが出回った。開票が終わってもこれらはインターネット空間を漂う。

 「偽情報は、誰がどんな目的で流しているのか」。社会部の池田哲平記者ら2人とデスク、部長の4人でネットに潜むフェイクやヘイトの発信者を追った。1月1日付から全17回。

 過激な見出しと攻撃的な表現の記事を配信するサイト「netgeek(ネットギーク)」。炎上を狙い、閲覧者を増やし月に100万円ほどの利益を上げているとみられている。

 ある女性は現政権に批判的な発言など、事実と異なる情報を自身の写真とともにネットギークに無断掲載された。直後から女性のツイッターには、見知らぬ人から脅迫や殺害予告が書き込まれるように。苦情を言おうにも、サイトは連絡先を開示していない。池田記者は「汚い言葉での中傷が起こりやすいという匿名性の恐ろしさを実感した」と言う。

 取材班は関係者の話や登記簿などから運営者の氏名、携帯電話番号、メールアドレス、拠点などを突き止めた。だが、拠点に人の気配はなし。池田記者は自身の氏名、連絡先を記した取材依頼メールを送った。

 正体を隠して個人を攻撃する相手に個人情報を伝えるリスクも考えた。しかし記事の執筆には責任が伴う。「取材する側の身分を明かした上で正面から取材し、情報発信の責任を問いただしたかった」と振り返った。

 しかしメールの返事は得られず、12月には着信拒否、さらにサイトの閲覧制限へと進んだ。被害者らは名誉毀損(めいよきそん)で訴訟を起こすという。ネットギークに関わっていた人への取材も重ねる。運営者の正体、フェイクを今後も追う。(黒)

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