ミャンマー人留学生に密着

佐賀「さが介護新段階 人手不足時代を迎えて」

 佐賀県多久市の高齢者グループホーム「悠々」の介護職員・ナインココトゥンさん(31)はミャンマー出身。施設で研修を受けながら経験を積む。

 2017年に入管難民法が改正された。専門学校などに留学して介護福祉士の資格を取れば滞在が認められるように。同年、西九州大短期大学部(佐賀市)と県介護老人保健施設協会の連携による介護留学制度が始まった。山口貴由報道部特報班記者(当時)がミャンマー人留学生の姿を追った。4月9日付から全3回。

 佐賀県内の介護指定事業所は3月1日時点で1637か所。近年は毎年50~60か所が人員不足などで休止している。

 留学制度では学費は貸し付け。県内施設で5年働けば返済不要。人手不足に悩む現場と、業務経験を積みたいミャンマー人双方のニーズにかなう制度を組み立てた。今年は44人を受け入れた。

 ナインココトゥンさんは今や「欠かせない戦力」として信頼を集める。施設関係者からは「お願いしてでも来てほしいのが実情」という声も挙がる。

 一方で、言葉や生活になじめず帰国する留学生も少なくない。留学生は一定レベルの日本語能力試験に合格しているが、多くの高齢者が話すのはなまりが強い佐賀弁。地元で育った人でも聞き取りにくいことがある。

 工夫して意思疎通を図っていた留学生の姿も伝えた。メイルインウーさん(30)は利用者に伝わるよう、かつての呼称を使い「ビルマから来ました」と自己紹介する。ゆずやAKB48といった人気グループの楽曲を歓迎会で披露した留学生もいたという。

 「日本になじんで成功したいとの強い意志を感じた」と山口記者。労働環境の厳しさが強調されがちな介護業界の現状について「変わりつつあることを伝えたかった」と話した。(黒)

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