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70歳まで現役 先行企業ルポ

北海道「会社をイカス 高齢者雇用」

 札幌市のケアハウスで調理補助の仕事をしている谷富千恵子さんは70歳。「いい同僚に囲まれて居心地がいい。ぼけないためにも働き続けたいですね」と話す。当初は住宅ローン完済までの5年間のつもりが、既に11年。年齢を重ねた今は、4日以上の連続勤務はしない。月の勤務日数も18日間にとどめる。

 政府は5月、70歳までの就業機会確保を企業の努力義務とする方針を示した。かねてシニア雇用の現状を追っていた経済部の生田憲記者が、地元企業の先行例を伝えた。5月21日付から全3回。

 ケアハウスの給食作りを請け負うのは、人材サービス業のキャリアフィット(札幌市)。ビル管理や警備なども手掛ける。社員806人中、60歳以上が3割。うち70歳以上は1割に上る。谷富さんはパート社員として仕事を続けている。

 6人がケアハウスの給食作りを担う。唯一の正社員、鈴木梨絵さん(37)が労務管理とシフト編成に当たる。生田記者によると、鈴木さん以外は全員60歳超。チームの顔ぶれは10年ほど変わっていない。

 転勤がないこと。自ら現場に立ち、同僚の事情をよく知る社員が勤務ダイヤを組んでいること。この二つが、高齢社員で仕事を分け合う「ワークシェア」を成功させているとみる。

 生産現場を持つ企業や職人を抱える会社は比較的、高齢者雇用を進めやすい。若手への技術指導役を担ってもらい意欲を引き出した例も紹介した。一方、事務職が多い会社は環境整備が難しい―と生田記者は指摘する。「雇用される側も、60歳以降にどういう人生を歩むか考えることが必要だ」と話す。

 次に見据える取材テーマは生産性向上。熟練者の目から見た作業工程を追体験できる仮想現実技術などに注目しているという。(酒)

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