安定生産 機械化で模索

山陽「スマート農業 超省力化革命への挑戦」

 収穫したミニトマトを載せてハウス内を進む搬送ロボット、気温や降水量からカット野菜の出荷量を算出する人工知能。最新技術で農作物の生産効率化や作業の省力化を図る動きが進む。

 岡山県の農業就業人口の平均年齢は約70歳。「スマート農業」が担い手不足解消の救世主となるか。経済部の久万真毅記者は「効率化だけでなく、田舎の農地や景観を守るためにも先端技術の活用は欠かせない」と話す。

 5月23日付から毎週木曜朝刊で連載。第1部「園芸作物編」は、畑やハウスでの農作業、カット野菜の加工場での省力化の例を取り上げた。

 搬送ロボットを取り入れた農業法人の槙野孝社長は「スマート農業が広がれば、持続可能な農業経営を実現できる」と期待を寄せる。3台のセンサーが計測した気温や湿度、二酸化炭素濃度などを基に、窓やカーテンを自動開閉する装置も備える。

 大規模農地で加工用野菜を生産する別の法人は、あぜに置いたレーザー発振器を使いミリ単位で整地する。少ない人手を機械で補うだけでなく、栽培の精密化にもつながるという。「安い海外産に対抗するには、徹底的に生産コストを下げないといけない」と大平貴之社長。機械化により、質の良い野菜を安価で安定生産することを目指す。

 しかしこれらの設備はいずれも高額。ローンを組まなければ導入できない。時に過剰な性能を持った機械を買う例も見かけるという。久万記者は「地域の実情に合わせた活用法を見極める必要がある」と指摘する。

 6月27日付からの第2部は稲作がテーマ。小規模農地の省力化や費用削減に関する国の実証実験に選ばれた農業法人などを追う。その後は「機械化が最も進んでいない」とされる畜産・酪農の現場を取り上げる予定だ。(海)

ページの先頭へ