声を上げる同性愛者追う

中日「縁のカタチ 多様な性」

 男性同性愛者(ゲイ)の南和行さん(42)は恋人の吉田昌文さん(41)と2人で法律事務所を営む。インターネットの掲示板を通じて2000年に出会い、交際を始めた。知人には吉田さんを「地元の後輩」と紹介していた。同じ仕事をしていれば、2人の関係をことさら説明しなくて済む。「一緒に弁護士になろう」。誘った南さんは08年、吉田さんは06年に司法試験を通った。

 「LGBT」という言葉の普及で性的少数者の認知度は高まった。しかし、社会の理解も制度も追いついていないと河野紀子記者はみる。周囲の認識を変えようと声を上げる南さん、吉田さんの姿と、活動に込めた思いを伝えた。「縁のカタチ」は生活部の記者によるリレー形式の連載。「多様な性」は7月31日付から全3回。

 南さんは吉田さんとともに講演活動に取り組む。時に女性同性愛者(レズビアン)や両性愛者(バイセクシュアル)の話を頼まれることも。しかし性自認や性的指向にまつわる苦悩や体験は、当事者でない限り語り尽くせない。「自分はゲイだがLGBTではない」。一緒くたにされることに違和感がある、と明かした。河野記者はこの話を聞き、タイトルを「LGBT」編とするのをやめた。

 連載の結びに、印象に残った南さんの言葉を伝えた。人と違うからと排除するのではなく「『私は赤が好き』『私は青』と互いに違いを認め合えれば、みんなが生きやすくなる」。講演会を開けば年配の男性に「親不孝」と言われるなど、嫌な思いをすることも多い。それでも理解を深めようと活動する2人を「メディアとして広く伝え、性的少数者について考えるきっかけにしたかった」と河野記者は話した。

 次の担当回も性的少数者をテーマに据える。同性婚容認を求める訴訟を起こしたカップルらを取り上げる予定だ。(黒)

ページの先頭へ