2020年 9月22日
1年2か月の異文化体験記

高知「コモエスタ コスタリカ 高知新聞記者海外協力隊へ」

 発展途上国の子供を支援したい――。青年海外協力隊員になることは学生時代からの夢だった。野村圭記者(38)は入社13年目の2019年1月、休職して中米コスタリカに赴任した。退職も視野に入れていた矢先、自己研修のための長期休職制度が導入された。

 海外協力隊員として約1年2か月の活動を経て、今年8月報道部に復帰。同18日付から夕刊で、滞在記を12回連載した。現地での出来事を書くつもりはなかったが、同僚の勧めもあり「珍しい体験を記事にするのは新聞記者の役目だ」と考えるようになったという。

 隊員としての役割は環境教育。主にごみの減量支援を担った。分別作業を手伝ったり、生ごみを堆肥にする方法を市民や子供に教えたり。講座の資料作りや、クイズを使った「つかみ」は日本での出前授業の経験が役立ったという。

 初めての講座では説明の最中に早口の質問が次々と飛んできた。まだスペイン語に不慣れで、ほとんど聞き取れなかった。現地の語学学校で文法や単語を学び直すと、ランチの会話も弾むようになった。

 日本のことわざのような表現が多いことも知った。よく使ったのは「私は木の後ろにいます」。物事が全く理解できない、という意味だ。学ぶうちに、住む地域で発音が違っても、方言が分からなくても悲観しなくなったという。「土佐弁も、おんなじ日本人が分からんしね」。記事でその心境をつづった。

 野村記者は今年3月、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、10か月の任期を残して緊急帰国した。荷物の半分は現地に残したまま。準備を進めていた高知の小学校との遠隔授業もかなわなかった。再派遣の可能性がなくなった今もホストファミリーとは週1回、メールのやり取りを続けている。(海)

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