2021年 1月1日
地元企業の試行錯誤追う

大分合同「ドローンが拓く 大分からの挑戦」

 車両型の小型無人機(ドローン)2台が4月、大分市中心部の府内五番街商店街を往復し、路面やベンチに薬剤を吹き掛けた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けての出動だった。

 大分県はドローン関連産業の育成に力を入れている。産学官による県ドローン協議会を2017年に発足させ、開発支援や技術者の育成などを進めてきた。試行錯誤を続ける企業や自治体の動向を報道部の船山善弘記者が報じた。12月3日付から2回連載。

 商店街の消毒を担った2台は、産業用の機体を手掛けるアペックスジャパン(大分市)製。車両型はビニールハウス内の農薬散布などに使う。同社は九州各県や京都、岡山などにも納品しており、売り上げの7、8割を「陸のドローン」が稼ぎ出す。元々は空を飛ぶ機体が主軸だった。陸上用に軸足を移したのは、飛行規制の厳しさから。

 開発製造企業のシーアイロボティクス(大分市)は、離島に日用品を配送する実証実験に携わる。海上の長距離飛行の通信には携帯電話回線を使う。小野俊二社長は、その申請が2か月前に必要だったとし「ライバル企業より法律としのぎを削っている」と現状を表現した。

 しかし、国もドローンの活用促進を掲げており、飛行を規制する関連法の改正も控える。空を飛ぶドローンによる物流や点検の分野はやはり「今後伸びるだろう」と船山記者。被災地の撮影や調査、救援物資配送など災害対応にも活用が広がるとみる。

 ドローンの世界は日進月歩。水上用や水中用もある。活用のアイデアはすぐに実証実験に移される。「スマートフォンが登場した頃、タクシーの配車や出前の注文ができるとは想像できなかった」。発展途上のドローンも幅広い可能性を秘めている、と船山記者は語った。(酒)

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