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商売は地元に愛されてこそ

北海道「小樽 堺町通り商店街の挑戦」

 北海道小樽市の堺町通り商店街は観光名所・小樽運河に近く、約1キロにわたって飲食店や土産店が立ち並ぶ。新型コロナウイルス禍で観光客の姿が消え、危機に陥る。同商店街振興組合加盟の4店が閉店し、約4割の店が休業に追い込まれている。

 コロナ禍以前は、観光客による迷惑行為などを取材していたという小樽報道部の前野貴大記者。「まるっきり状況が変わり、観光客頼みの商店街がどう変わろうとしているのか興味を持った」。約3週間をかけて商店街関係者16人に取材。逆境に立ち向かう堺町の挑戦を伝えた。2月2日付から全3回。

 「観光客はしばらく戻らない。市民に目を向けよう」。昨年10月、同組合の若手店主らが集まった会議で久末智章理事長が提案した。いぶかしがる店主らを説得し、クリスマスには加盟店のすしやケーキなどの詰め合わせを販売し、地元客向けに用意した60セットを売り切った。

 新たな需要の掘り起こしに成功し、店主らも徐々に小樽市民を意識するようになった。人気唐揚げ店「タケダのザンギ」は地元民向けの値引きや増量サービスを始めた。同店の越後諒治社長は「地元に愛されてこそ観光客に評判が伝わる。これがあるべき姿だと気づいた」と話す。

 前野記者は店主らの意識の変化を肯定的に捉えているという。堺町通り商店街は土産店と観光客向けの比較的高価格の飲食店が軒を連ね、市民が訪れる場所ではなかった。コロナ禍が足元を見直す転機となった。

 観光客が来ないから、市民を相手にするという付け焼き刃の発想ではなく、本当に市民に愛される街づくりへの挑戦に期待すると前野記者。この連載で、工夫を重ねる堺町の姿を他の商店街の店主にも届けたかったと語った。(浅)

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