2026年 1月13日
外国人の労働現場を取材

佐賀「多文化共生の現在地 人権週間・さが」12月5~10日(全6回)

 若年層が都市部に流出する地方では、労働力を維持する上で外国人の受け入れが不可欠になりつつある。佐賀県では2024年、在留外国人が約16%増え、増加率は全国3位だった。

 SNS上で排他的な言説が拡散し、地方自治体の外国人施策や選挙結果に影響を及ぼす例がみられる。デジタル報道部特報担当の円田浩二記者は、外国人の増加に対する不安が県民の間にも広がることを危惧した。地域に共生を根付かせる報道の第1弾として、現在地を記録しようと試みた。25年10月から約1か月間、外国人の労働現場を中心に2人体制で取材した。

 太良町のミカン農園で働くインドネシア人の男性は、雇用主から仕事ぶりを認められ、栽培から販売まで一連の業務を任されている。やりがいを持って働く中、周囲の誘いを受け、25年4月に同町消防団に入った。円田記者は、男性が草刈りなど地域行事に積極的に参加し「地域のために頑張りたい」と語る様子を紹介した。地域に受け入れられ、自らも溶け込もうと努力する姿に「共生のヒントがあった」と強調する。

 伊万里市で昨年7月に起きたベトナム人による殺人事件が落とした影も取り上げた。同市で日本語教室を開く男性は、事件後「外国人ばかり優遇されている」との抗議の電話を受けたと明かした。外国人が地域で果たす役割を丁寧に説明すると、相手は態度を和らげたという。事件により浮き彫りになった共生の「もろさ」に焦点を当てる狙いがあった。

 円田記者は、共生への理解を深める上で「外国人一人ひとりの人柄や来日理由を掘り下げることを意識した」と振り返る。その上で、外国人目線から共生の壁を探ることも重要だと説明。今後は、イスラム教徒が日本の生活で直面する宗教上の課題や、雇用主が講じるべき解決策に関する取材に挑みたいと話す。

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