大量生産・消費見直す時

レジ袋有料化巡り議論

 プラスチックごみによる海洋汚染が世界的に問題となる中、日本は、大阪で6月28、29の両日開かれた主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)で初の議長国を務め、2050年までにプラごみによる新たな海洋汚染をゼロにするとの削減目標を盛り込んだ首脳宣言をまとめた。これに先立ち、汚れたプラごみを輸出入の規制対象に加える、バーゼル条約の改正案が日本などの主導により採択された。原田環境相や世耕経済産業相はプラ製レジ袋の有料化義務付けの方針を打ち出し、日本のプラごみ対策も大きな注目を集めた。各紙の論調はごみ削減・リサイクル推進で一致しつつも、方法論などを巡ってさまざまな議論がみられた。

出遅れた日本

 日本は米国に次いで1人当たりのプラごみ廃棄が多い。「大量生産、大量消費といったプラスチック依存の生活を見つめ直す時である」(沖タイ)。この主張は各紙に通底していた。

 政府が対策の一つとして掲げたレジ袋の有料化について、ほとんどの社説が言及。新潟は有料化について、「127カ国が法規制を行い、83カ国が無料配布を禁止している。出遅れた感は否めない」とする一方、「レジ袋は暮らしに身近なものであり、プラごみ削減の象徴として取り組みながら、市民の環境意識を高めていく意味は小さくない」と意義を強調した。宇部と北日本、北國もそれぞれ、「プラごみ規制に本気で取り組む姿勢を示すための〝狼煙〟だ」、「プラごみ削減に向けた象徴的な活動となろう」、「レジ袋削減の地道な積み重ねは確実に省資源につながる」と肯定的に捉えた。

 前向きな評価の一方で、朝日は「レジ袋規制は他国より遅れていて、胸を張れる施策ではない」とし、熊本日日も「有料化どころか製造や輸入の禁止にまで踏み込んで規制している国も珍しくない。日本の周回遅れは明らか」と冷ややかだった。毎日はさらに踏み込み「『全廃』を見据えた議論が必要ではないか」と主張した。

 中日・東京は「有料化自体、最善の策とは言えず、"強制" には反発もつき物だ。家庭ごみ袋有料化後の傾向から見て、消費者の "慣れ" によるリバウンド(揺り戻し)も起きるだろう」と予測した。日経は、有料化を評価しつつも、「日本の廃プラのうちレジ袋は重量で2%程度を占めるにすぎない」と指摘した。その上で、「日本の食品包装やトレー、ペットボトルの多用は世界でも際立つ。メーカーや小売店の回収・再利用努力を促すのに加えて、便利さを追求し気軽にプラスチック製品を使ってきた消費者も意識を改めていかなければならない」とした。

 神戸も「レジ袋は国内プラごみ全体の数%にすぎない。使い捨てプラスチックの大半を占める食品容器の規制強化にも踏み込み、本格的な議論を始めるべきだ」と注文した。徳島は「小売業者も国による義務化を待たずに、有料化に前向きな姿勢を見せている。県や関係団体はこれを後押しし、レジ袋削減へ機運を高めてほしい」と、政府の決定を待たずに一歩を踏み出すことを促した。

生活者の意識改革必要

 ごみの減量については、日頃からの心掛けと、石油由来ではない代替品の開発と普及を求める主張がみられた。紀伊は「外出時はマイボトルに飲み物を入れて持ち歩くことを習慣にしたい。一人一人の工夫や配慮が、使い捨てプラスチックの削減につながる」とした。福島民報は「暮らしの中で減らしたり、紙製を使ったりする努力が求められる。ペットボトル、使い捨てのスプーンやフォークは汚れたままにせず、きれいに洗って分別収集に出す。バケツやポリタンク、草花のプランターなどの壊れたプラ製品、発砲スチロール、ビニール袋は、川や海まで風で飛ばされないようにする。これらは誰でも、すぐに実行できる」と訴えた。福島民友も「環境汚染を抑止するためには消費者の協力と意識改革も欠かせない」と指摘した。産経は「包装材として竹の皮や木材を薄く削った経木の利用も復活させたい」と提案した。

 リサイクルについては、岩手日報が「最新の技術や設備に対する支援拡充など国内のリサイクル体制強化が求められよう」と論じた。信濃毎日は「政府は、日本の廃プラスチックの有効利用率は85.8%で一定の水準に達しているとする。とはいえ、素材としてのリサイクルは2割強にとどまる。燃料などに使う形で6割近くを焼却しているのが実情だ。発生そのものを抑える必要がある」と指摘。西日本も「熱回収は純然たるリサイクルとは言い難い。地球温暖化防止の観点からも問題がある」とし「技術革新などでリサイクルを推し進めることは大切だが、まずはプラごみの排出量削減に本腰を入れるべきだ」と強調した。(審査室)

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