4月19日付 背景探り現状変える契機に

徳島「鳴門わかめ 止まらぬ産地偽装」

 徳島県はワカメの水揚げ量が全国3位。「鳴門わかめ」として広く知られる。しかし、2008年に加工業者による産地偽装が初めて発覚した。再発防止策が模索されているものの、偽装は後を絶たない。

 谷野圭助社会部デスクは「偽装が改まらない理由を探り、うみを出し切ろうとした」と狙いを話す。3月22日付から5回にわたる連載で、偽装の背景や他地域の状況を伝えた。

 偽装の一因とされるのが原料の不足だ。県内のワカメの水揚げ量は、担い手の減少などを背景に年々減っている。不足した原料を補うため、中国産を混ぜる加工業者もあるという。

 一方、「三陸わかめ」のブランドで知られる岩手、宮城両県産のワカメでは、偽装に対する行政の処分は過去にわずか1件だ。木村恭明社会部次長は「三陸と比べることで、鳴門の問題点が明確になる」と語る。

 三陸のワカメは品質に等級を付け、入札会で競り落とされる。一方、鳴門では加工業者が個々の漁業者と直接交渉してワカメを仕入れる商習慣が長年続いてきた。加工業者が具体的にどのような取引をしているかを当事者以外は把握していなかった。

 徳島県は14年、加工履歴を適正に管理した業者を認定する認証制度を始めた。しかし、約300ある県内加工業者のうち、認証を受けたのは16業者にとどまる。煩雑な履歴の作成が求められることや、制度の認知度不足が課題となっている。今年3月に、生産、加工などの関係者を集めて認証事業の推進協議会が発足。制度の普及に有効策を打ち出せるのか注目されている。

 偽装という負の面に焦点を当てた連載は、鳴門わかめのブランドにとり好ましくはない。「不正をせずに一生懸命にやっている業者が損をしている現状を変えるきっかけになってほしい」。木村氏は強調した。(梛)

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